ホリーさんとは、30余年前YMCAの英語学校で席が隣り合って以来のご縁です。
彼女は大学卒業後お金を貯めて自力で英国に留学。
帰国後は外資系の企業の社長秘書、某大使館勤務を経て
貿易会社を経営するご主人と香港駐在20年。
20歳と16歳の男児の母親。彼女は現在香港の会社に勤務中です。
<なにわのおねぃ>

2004年10月20日号

ロンドンの旅 6  ウィグモア・ホール Wigmore Hall 

写真はウィグモア・ホール公式サイトより

オックスフォード・ストリートのすぐ北側にあるいかにも英国らしいフォーマルな感じの室内音楽コンサートホール。 、日曜の朝開かれるコンサートに集まるお客さんはどなたもややカジュアルなスーツやジャケットでドレスアップし、年配の女性は髪を綺麗にアップでまとめ、文化のある生活を楽しむ方々と見受けられた。 二階席から見ると観客の殆どが銀髪。そのせいかどうか曲が終わる度に一斉に咳が始まる。なんともなかった私まで3曲目ぐらいからつられて喉がいがらっぽくなり咳き込んできて困ってしまった。ケン曰く「サンデー・モンニング・コーヒー・コンサート」というよりは“Sunday Morning Coughing Concert”なのだそうだ。 この人こういうシャレがやたらとうまい。

1901年オープンとあるから100年の歴史があり、こじんまりした入り口にしても、いやみのない重厚な内装にしても長く愛されて使い込まれた暖かさが感じられる。ここで演奏した人たちの顔ぶれはさすがで、私が聞いたことがある名前だけでもサラサーテ、サンサーンス、プーレンク、などなど。演奏前に訪れた地下のコーヒーショップに著名な演奏家の写真や演奏に使った楽譜などが掛かっている。

ウィグモア・ホールはまたクラシック音楽の登竜門としても知られており、この日は若いヘンシェル兄妹の弦楽四重奏。 シューベルトの甘い調べにうっとりとしていると舞台から客席の後ろまで長く伸びた天窓から太陽の光が差し込み天国に連れて行かれるような心地。曲はいつしかメンデルスゾーンに変り、もはや夢心地。演奏が終わるとロビーでシェリー(スイート、ドライ、ミディアムと3種類揃えている)、ジュース、コーヒーがサーブされ、お友達同士挨拶を交わしながら和やかな雰囲気でおひらきとなる。伝統的中流階級の正しい日曜日の過ごし方といった雰囲気。 

日曜のお昼、ウィグモア・ストリートからオックスフォード・ストリートにかけての辺りはしゃれたレストランやパブに集まる人たちで賑わう。私達もとあるイタリアン・レストランでランチを。イタリアンだからかどうか、ロンドンの外食事情はやはりかなり向上したようである。













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