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日付の新しい方が上に来ていますので順番が逆になり、ちょっと読みづらいかもしれませんがご容赦を!

7月29日


私にとっての日本の味

 海外といっても、手に入らない日本食料品はほとんど無いと言われるくらい、ニューヨーク は条件的にはすごく恵まれています。白菜、大根、椎茸、豆腐、えのき(これって、ナベの材 料)などは、アメリカの大きなスーパーに行けば手に入るし、カリフォルニア米も最近、短粒 種が売られていて、日本のお米と変わらないくらいおいしいんです。鮪も日本よりずっと安く ておいしく、ミョウガ、ミツバ、シソ、柚、すだちなども手に入ります。調味料も日本の二倍 くらいしますがなんでもあります。

それでもときどき、どうしても日本のあの店のあれが食べたいという話が、友達や家族の間で 盛り上がることがよくあります。
ラーメンであったり、お好み焼きであったり、たこやきであったり、個性がでておもしろいの ですが、私の場合は、京都河原町『大黒屋』の天ザルと、下鴨、洛北高校近く『パウンドハウ ス』の抹茶ケーキ、それと、錦小路『京漬物うちだ』の養老漬というタクアンなのです。 ニューヨークのソバ、うどんは論外だし、ケーキは頭が痛くなるくらい甘いし、タクアンも日 本食料品店のものは甘ったるくて口にあわないのです。

去年の夏、帰国したときに錦でたくさん買いこんで、要冷蔵なため機内持ち込みにしたら、 ニューヨーク行きの国内線乗り継ぎのために入国手続きをしたデトロイトの税関でにおいを怪 しまれ、足止めを食って、「日本のラディッシュのピクルス」と説明して、解放してもらった という、いわくつきの家族全員の大好物のタクアンを、先月の両親の渡米の際にも何袋か持っ てきてもらって少しずつ大切に食べていたのですが、とうとう、なくなってしまいました。 要冷蔵のため航空便でも送ってもらうことができなくて、飛行機で来る誰かにお願いするしか 手にいれる方法がなく、今度口にできるのはいつになるのでしょうか、私にとっての日本の味 『タクアン』。

ちなみに、娘がいまいちばん食べたい日本の食べものは『千房』のお好み焼、ダンナは会社の 近所の一杯飲み屋のネギ焼きだそうです。

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7月19日


 うちのダンナは宮崎駿の大ファンです。
そのため、映画化された作品はほとんど、うちにビデオがあります。
トトロとナウシカはこちらでも英語に吹き替えられて売られていますが、最近のものは日本の テレビで放映されたものが録画され、日本食料品店などでレンタルビデオとして店頭に並んで います。早い話、海賊版のようなものです。ですから、『もののけ姫』もたぶん、日本でテレ ビ放映されてからしばらくして、こちらでビデオになってでまわるのでしょう。
早く見てみたいものです。
手塚治虫の『ジャングル大帝』もこの夏公開されると聞きましたがほんとうなのでしょうか、 私達の世代にとっては実に懐かしいです。

 ジャズダンスはやりませんが、高校生の時から十年間くらい合唱団に所属していたことがあっ て、京都会館などで定期演奏会をしたことがあります。 本番が近くなると一種独特のプレッシャーのようなものと、不安など、いろいろなものが交錯 して、押しつぶされそうになった事を邦子さんのメールで懐かしく思い出しました。 ジャズダンスはそれに体力的なものもプラスされるのでもっとたいへんでしょうが、がんばっ てください。17年も続けてらっしゃるなんて素晴しいことですね。

 邦子さんが忙しい間は私がはりきって更新します。
『ニューヨーク便り』読んでくれてる人なんかいないんじゃないの、と思っていましたが、ゲ ストブックを見てとってもうれしくて。
どうやら、私もおだてられると木に登ってしまうタイプのようです。

では、おやすみなさい   景子
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7月13日


 今年のディズニー映画『ハーキュリーズ』、日本でのタイトル名『ヘラクレス』を見ました。 うちでとっている日本の新聞に「ディズニーアニメがうたいあげるギリシャ神話の壮大な世 界、映画は今月26日に公開」と広告がでていました。
   去年の作品『ハンチバック・オブ・ノートルダム』は日本では『ノートルダムの鐘』というタ イトルになっていて、私はまったく違う作品だと思っていました。題名だけでずいぶん印象が 違うものです。この作品は残念ながら見逃しましたが、アメリカの子供たちにとって、毎年封 切られる新しいディズニーアニメを見に連れて言ってもらうことは夏休みの楽しみの一つのよ うです。

 はんぱじゃないくらい冷房がきいていて寒くてふるえる映画館で、1リットル以上あるコーク と、バケツくらいの大きさの入れ物に入ったポップコーンをほうばりながら映画を見るのが ニューヨークスタイルです。
 さて、この『ハーキュリーズ』ですが、2年前に『ポカハンタス』というネイティブ・イン ディアンが主人公のディズニー映画を同じ映画館で見たときにはそれなりに少しは感動もあ り、テーマ音楽もなかなか良かったのですが、今回は途中で居眠りをしてしまいました。 ドタバタしたギャグの連発で笑えるところはたくさんありましたが、白雪姫やピーターパン、 シンデレラに代表される夢と感動を与えるディズニーの世界はどこにいってしまったのでしょ う。
 うちの娘と、アメリカ人の友達は「すっごくおもしろかった、またいきたい」とおお喜びして いましたが、私もダンナもかなり不満が残るできでした。

 「ディズニーはギリシャ神話のヒーローまでも大道芸人に仕立て上げてしまった」というコメ ントをどこかで読みましたが、ネタがつきてきたのでしょうかねディズニーも‥

ロンドン、パリの旅 第5日目4月30日
   昨日ルーブルに行きそこねた私たちは、午後のユーロスターの出発までに、なんとしてもここ によっておかなければ、パリを語れないとおもったので、早起きしてでかけた。
 朝はすいていて、ミロのビーナス、モナリザ、サモトラケの勝利など代表的なものだけ大急ぎ で観るために広い美術館のなかを小走りで移動し目的をなんとか達成、お昼は娘のリクエスト で、パリのマクドナルドに入ることにした。主人は、フィレ・オ・フィッシュを注文したが、 これはアメリカではフィッシュ・フィレと言わないと通じない。日本ではフランス語を採用し ている訳なのか、と感心して食べた。アメリカのものよりパンが美味しいような気がする。
 すると、私たちの前を日本人の女子高校生五人と引率の先生が歩いていった。制服を着ている のだが、茶髪に細い眉毛、うわさのルーズソックスという、いまはやりのスタイルで、この団 体、異様な雰囲気をかもしだしている。お洒落なパリジェンヌたちはどう思うかわからないけ れど、私はおもわず、「同じ日本人としてはずかしい」と思ってしまった。
どうして、みんな同じスタイルなんだろう、個性はないのか、個性は。

 ロンドンへ向かうユーロスターは平日のためビジネスマンで満席だった。あちこちで携帯電話 が鳴り、パソコンをたたいている人もいる。
 来たときと同じように、ワインと食事でいい気持ちになり、ユーロスターの車窓からのうねり のある丘陵地帯でのんびりと草を食む羊たち、ピーターラビットと目にしみるような菜の花の 黄色に感激している私の耳に飛び込んできたのは 「阪神とうとう五割復帰でっせ、今年はやってくれまっしゃろな、吉田はんも」 「あのスチュワーデスのおねえちゃんメガネとったらメチャクチャきれいやでえ、タイプやわ あ」 という、べたべたの関西弁。おまけに声がやたらでかい。すぐ後ろの席に日本人ビジネスマン が三人座っていたのだった。
 家族の中でたった一人純正関西弁をあやつるが、外での会話は標準語、ときどき、どうしょう もなく禁断症状がでて、近くに住む友達とおもいきり関西弁の会話をするという程の根っから の関西人の私ではあるが、他人の関西弁の会話は聞いていると漫才のようでふきだしそうにな る。
このユーロスターのBGMとしてはおもいっきりミスマッチな、べたべた関西弁会話はロンドン に着くまで三時間延々と続いたのだった。
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7月11日


日本からの新しい輸入品
 今日、車を運転していて、町のローカル紙の自動販売機のある交差点で信号待ちをしていた私 の目に、飛び込んできたのは、『世界の目が日本からの新しい輸入品に向けられている!』と いう派手なタイトルでした。ごく普通の、スポーツ新聞でもなんでもないめちゃくちゃローカ ルな新聞なので、最初何の事か判らず、「新しい輸入品て何?」としばらく考えて、やっと気 がつきました。

 今日は、伊良部のメジャーリーグ・デビューの日だったのです。阪神以外はあまり興味がない 私なので、大リーグの中継などほとんど見たことないのですが、思わず、テレビ中継を見てし まいました。

 そのあまりにも高い年棒(三年で14億3千万)などからくるチームメイトとの摩擦などか ら、彼の名前ヒデキをもじって、ヘッドエイキー(頭痛)と陰で呼ばれているなどと書かれた りしていたこともありましたが、昨日は、ジュリアーニ市長の正式歓迎を受けるなど、話題性 と、集客力はすごいものがあるようです。

 ゲームにも勝てて、ニューヨーカーは大喜び、スポーツチャンネルは今日は伊良部でもちきり でした。日本でもきっと大騒ぎしていることでしょうが、私としては、あのフィールダーを久 しぶりに見たのが印象的でした、三振ばかりしていましたが。

 なにはともあれ、そのばか高い輸入品がとりあえず不良品ではなかったようで、ヤンキーズの オーナーも今夜はほっとしていることでしょう。
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7月 5日


 邦子さん、最近『蛍』見たことありますか?

 夏になると日本から出張中の主人の会社関係の方や、友人達とよくバーベキューパーティーを するのですが、夕方から始めてさんざん食べたり飲んだり喋ったりしてお腹も一杯になり、長 い夏の陽が暮れだす頃に、庭のあちこちで蛍が光りながら飛びはじめます。芝生に水をまいた 日に特に多く見られるような気がしますが、私もこちらにきて始めて見たときには感動しまし た。
庭に蛍がいるなんて、このあたりが豊かな自然に恵まれているということの証明なのでしょ う。

 ところがその裏返しで、豊かな自然は、ときとしてとても厳しい物に変わってしまいます。先 週もサンダーストーム(雷暴風雨)が来て、ほんの10分間で、直径1メートル以上、高さ 30メートル以上は有にあるような大きな木を根っこからバタバタ倒し、太い枝や幹をへし折 り、その大木が電線やテレビのケーブルをずたずたにしてしまったため、いまだに復旧作業が あちこちで続けられています。
幸い私達が住んでいる街はたいした被害はありませんでしたが、主人の会社がある街は被害が 大きく、迎えに行ったときに、大木に潰された車や家を見てびっくりしてしまいました。 友人はそのサンダーストームの最中に車で走っていて、いきなり道路の両側の木が倒れだした で、生きたここちがしなかったといってました。

 2年前の夏にも、友達と大きなショッピングセンターで買い物をしていた間に集中豪雨があっ たために四階建ての駐車場に川のように水が流れだし、一階の出口のところで止まっていた車  に水が押し寄せてきて、乗っていた人があわてて逃げ出した直後に屋根まで浸水したのを目撃 してしまいました。
もちろん水がひくまで私達もそこで足止めをくったため、娘を迎えに学校に行けなくなり、近 所の別の友達に電話して事なきをえました。

 このまえの日曜日、私達はマンハッタンの五番街で行われたゲイ・プライド・パレードを見に 行ってきました。
1969年に起こった同性愛者迫害事件が契機となり、被害者関連グループがデモ行進したの が始まりといわれているこのパレードは毎年6月の最終日曜に行われ、今回で28回目になる そうです。
ハーレーなどの大型バイク約200台の団体が一斉にクラクションを鳴らしながら行進する派 手なオープニングのあと、労働組合や女性擁護団体、政治家と支援団体などのプラカードを掲 げた真面目なパレードのあいだを、ラメの特注衣装に身を包んだ厚い化粧のドラッグクイーン (もちろん男性)や、身体のほんの一部分だけ布で隠しただけのマッチョマンたち、、日傘を さしたローラーブレード姉妹(これも男性、もしかしたら日本人)など、年齢性別不明のあり とあらゆる人種をのせたフロート(台車)が何十台も続き、異様な熱気に包まれていて、パ レードを見にきた一般市民、観光客のなかにも、同姓の二人連れがいやに多かったのが印象的 でした。
『同性愛者団体が人権擁護や、エイズ予算増額などを訴える』というのがこのパレードの主旨 らしいのですが、ニューヨークの夏の隠れた風物ともいえるでしょう。

 大自然のパワーも、ゲイパワーも全開のニューヨークからでした。
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