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目  次
【5月27日号】【5月22日号】【5月7日号】
最新版が一番上に来ていますので順番が逆になり、ちょっと読みづらいかもしれませんがご容赦を!
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5月27日


メモリアルデーはバーベキューデー

 毎年、5月の最終月曜日はメモリアルデーとされています。
もともとは、デコレーションデー(勲章の日)と呼ばれており、南北戦争で亡くなっ た兵士たちを追悼する日だったそうですが、現在では日本のお盆のように、戦死した 兵士達の墓を掃除したり、花やアメリカの国旗で美しく飾りたてる、アメリカ人の愛 国心が現れた行事の一つとなっています。
この日、アメリカでは現役軍人、ボーイスカウト、ガールスカウトなどによるパレー ドが各地でおこなわれるようですが、なかでも、南北戦争の戦場であったペンシルバ ニア州のゲティスバーグと、何万人もの戦没者のお墓があるバージニア州のアーリン トン国立墓地では特に盛大な催しが行われます。
また、メモリアルデーは夏の始まりを告げる日とされています。
各地でプールや海開きが行われ、この週末にはあちこちでバーベキューを楽しむファ ミリーが見かけられます。
ちなみに、例年この週末におこなわれるインディアナポリスでの500マイルカーレー ス、インディ500は日本人の私でも耳にしたことのあるレ−スとして有名です。

 この週末にバーバキューをしなくちゃアメリカにいる意味がないというくらいの盛り 上がりのスーパーやハードウエアストアの店頭には、 何週間も前からバ−バキュー 用の炭やいす、テーブル、コンロ、紙コップや紙皿などのバーベキュー用グッズが山 のように積まれています。
我が家も日曜日のバーベキューのために、金曜日に友人と一緒に高速道路で約30分弱 で行けるでっかいスーパ−マ−ケットに買い物にでかけました。
ところが、土曜日からの3連休前とあって高速は大渋滞、夕方出発したのも原因の一 つで、そのスーパーに着くのに1時間以上もかかったのでした。
ここに来た第一の目的はお肉です。たいていの方はアメリカの肉は固くてまずいと思 いこんでいるでしょうが、それは大間違いで、ここのお肉は安くてとってもおいしい のです、ただし、たっぷりと脂肪もついたままのヒレ肉の固まりがビニールのパック に入って売られていて、だいたい4キロ前後という大きさなのです、おいしそうなの を選んで、それをブッチャー(お肉を切ってくれるおじさん)のところに持っていく と、きれいに脂肪や筋の部分をトリムして、好みの厚さに切ってくれます。
値段はだいたい4キロで45ドルくらいだから、約6000円。トリムすると3キロくら いになってしまうのですが、 それにしても100グラムが200くらいの計算になるのでしょうか?

 先週の日曜日も、日本からのお客様を招待してのバーベキュー用に、このお肉を買っ たのですが、お客様はあまりのボリュームに目を丸くして驚かれ、「こんなにたくさ んのお肉を用意されて、たいへんだったでしょう?日本なら最低でもステ−キ用の肉 は100グラム800円はするから、何万円もお肉代に使われたのでは?」と恐縮されてし まいました。根っからの正直者の私は 「これだけたくさんのステーキ用のお肉を買っ ても6000円くらいですよ」とつい言ってしまったのですが、言わなかったほうが良かっ たのかもしれませんね。
お肉だけでなく、このス−パ−は野菜や果物も安くて新鮮でおいしいのです。 あれもこれもと買っているうちに 大人がゆったり坐れるくらいの大きさの買い物用 のカートがすぐに一杯になります。でも、いつもここに来て買い物をする度に、なん だか幸せな気分になります、日常生活のストレスを発散するにはここが一番、いくら がんばって買ってもたかがしれてるからです。
100ドル以上買い物したお客様には、店頭にあるアイスクリームショップのアイスク リームもサービスされるし、牛や羊がいるミニファームや遊園地のような仕掛けが店 内のあちこちにあって、子供達にも大人気なのです。

 さて、今回のバーベキューのメンバーですが、メインゲストは私が立ち寄る某チャッ トの仲間の会社の同期の方でした。
その方は企業留学のためにこの5月にNYに単身赴任されたばっかりで、私とはもちろ んメールを何通か交換しただけの間柄で、初対面だったのです。
海外で暮らすという事は他人の目からは華やかに見えますが、苦労やストレスも多い ものです。
誰一人知人も家族もいない異国の地で感じる不安な気持や、慣れない言葉を使う苦労 は、私自身も同じように乗り越えてきただけに、身にしみてわかります。 少しでも、私がお役に立てたならと思っての今回のバーベキューへのお誘いだったの ですが、実際にお会いしたその方は、とっても人なつっこく、学生時代に探検部にい て、ヤップ島での原住民との生活も経験した事があるというだけあって、どこに行っ ても充分サバイブできそうなタイプの方でした。
アメリカ人の家族も含めて合計9人のバーベキューパーティーは、お天気にも恵まれ、 夜遅くまで盛り上がりました。
私もめったに飲まないワインなぞを飲んでほろ酔い気分で、自宅の庭でバーベキュー ができるアメリカでのゆったりとした生活を、こんなに楽しむ事ができるのも、駐在 している今だからこその貴重な経験、帰国命令が出るまでに、もっともっとエンジョ イする事を心に決めたのでした。
ちなみに、ZOEのママ、ウエンディがすごく気にいったのは『茹でた枝豆』と最後の しあげの『焼きおにぎり』でした。
この日腰痛で来られなかった御主人のビルのために、「お持ち帰りしてもいい?」と 聞かれ、「シュアー」(喜んでー)と答えた私でした。
さて、次回のバーベキューパーティーはいつにしようかなぁ
「NY便りの読者の方は誰でも参加歓迎いたします」 
といっても飛行機代までは出せませんけどねー。



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5月22日


運転免許書

 ニューヨーク駐在が決まって一番心配したのは車の運転でした。
私は25歳で車の免許を取ってからはほんの数回運転しただけで 13年近くもハンド ルを握っていなかった立派なペーパードライバーだったからです。
ところが、この国では買い物、子供の送り迎えや友人の家を訪ねるのもすべて車での 行動なので、アメリカで運転ができないのは靴をはかずに歩いているのと同じで不便 でしょうがないのです。
日本から来てすぐに車の運転を再開する必要にかられましたが、練習しなくては怖く て走れません。
そこで、安全ドライビングスクールという、プロにお願いする事になり、私の場合は 日本人の先生を予約したのですが 時間どおりに自宅まで迎えに来てくれた教官は、 私を運転席に坐らせると、 「さぁ、出発しましょうか」と、なにげなく言うのです。 ところが、マニュアル車で免許を取ったわたしは オ−トマ車を運転した経験が1回 もなかったのです。 その上 この国は左ハンドルの右側通行、 「すみません、ちょっと待ってください、13年も運転してないんですけど、どれがブ レーキでどれがアクセルなんですか?」 と、まるで運転は初めてのような恥ずかしい質問をしたあと、 「あれ?エンジンってかけるときにアクセルを踏むんだったっけ?ブレーキはどうだっ たかなぁ?」 と、エンジンのかけかたもすっかり忘れている事を思いだしました。そのうえ、ブレー キとアクセルを同じ足で踏むという事さえ知らなかった私。
この時点でもうすでに舞いあがってしまった私の感覚はまるで宇宙遊泳をしているようで 「さあ、車を動かしてみましょうか」 と言われても 自分の手足がなかなか滑らかに動きません。 やっとの思いで車はのろ のろと動きだし 自宅の前からいきなり交通量の多い国道に左折で出ますよと言われ たときには、半端じゃないくらい緊張して、のどがからからでした。

 今でこそ、制限時速45キロなのに65キロくらいのスピードで走っている ちょっと 狭いくねくねした道を 後ろからクラクションを鳴らされるのも当然なくらいのゆっ くりとしたスピードで走りながら、どうして日本のように自動車教習のコースがない んだろうと、初日から一般道を走らなければいけない事がうらめしくなりました。
ウインカーを出そうとする度にまちがえてワイパーを動かしてしまったり(日本とは 左右逆についているのです) おろおろ、のたのたの私の運転の助手席に坐っている教官も、いざとなれば自分でブ レーキを踏めるようになっている車とはいえ さぞかしストレスが溜るたいへんな仕 事でしょうね。

 1時間半という長いレッスンを終えて自宅まで帰って来た時には、緊張のあまり肩は こりこり、不自然な力で踏ん張っていた左足も筋肉痛で、ほんとうに運転って疲れる ものなんだなあと思いました。
この練習を何回か繰り返して、やっとNYの免許証を取る事になるんですが、 学科は凄く簡単で、私が受験した時にはちゃんと日本語の問題もあったので、試験は すぐに終りました。しかし、そのあと仮免をもらうまでは2時間くらい待たされます 免許証用の写真も、けっこういいかげん、一緒にいった友人がふざけて笑わせるので、 がははと大口を開けて笑ってしまったのに、そのままオッケーになってしまいました そのあと、実地試験が2ヶ月くらいあとにあり、めでたく合格するとNY州の免許がも らえるのですが、実地試験も教官によってすいぶん厳しさに差があり、合格、不合格 は運しだいのような気がたぶんにします。
5、6人いる教官の中にはへんな片言の日本語を話す人もいて、緊張している状態の 耳にはその変な日本語が瞬間的に理解できなくて落ちてしまったというかわいそうな 経験をした人もいます。
ちなみに、NY州は1ヶ月以上の滞在者は必ずNY州の免許証を取得しなければいけない 事になっているらしく、 日本で発行してもらった1年間有効の国際免許も、無効になってしまうそうです。
スピード違反で捕まった友人が国際免許を出して英語がわからないふりをしたら、NY の免許を持っていないということで罰金を払わなくても良かったというラッキーな話 もありますが、 仮免中は一人では運転できない事になっているのもかかわらず国際免許があるからと 運転していて、これまたお巡りさんに止められて、国際免許と仮免の両方をだしたら  両方とも没収されてしまったという気の毒な話もあります。

 日本の国際免許を持っていくと無試験で免許証を発行してくれるという州もあって、 そんな州にいったらすごく楽でしょうが、一度取ったNYの免許証は日本に帰国になっ ても、アメリカに留まる友人に頼んで更新する事もできるそうです。
私も、苦労して取ったNY州の免許証、もし日本に帰国しても、次回の駐在(あるかど うかは?)にそなえて更新しようとたくらんでいます。
実は私も緊張のあまり実地試験で1度落ちてしまい 2回目に合格するまでにかなり のプレッシャーがかかったからなのです。



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5月7日


ヘンナガイジン

 青い目のグランマ ナンシーが3週間日本に遊びにいっていました。
私の先祖は日本人だったかもしれないというくらい日本と日本人が大好きで、 自ら「ヘンナガイジン」と名乗る彼女には日本のあちこちに何人もの友人がいるよう ですが、今回もまた旅でのいろいろなおもしろい話を聞かせてくれました。

その1 「うるさい!黙りなさい」

 ユナイテッドの日本往復ビジネスクラスを息子さんからプレゼントされて快適な空の 旅になるはずだったのに、 横の席の30歳くらいのアメリカ人男性がやたらと話かけてきて、うるさくてしかたが なかったそうです。
かなりお酒を飲んで酔っぱらっている様子で、出発前にほとんど睡眠が取れていなかっ た彼女にとっては、 機内で一番したかった亊がぐっすりと眠る亊なのに、それさえも邪魔されてしまい  とうとう頭にきて、 「いいかげんにしてよ、あなたがこれ以上喋りつづけたら、乗務員に話して、私は席 を変えてもらうわ、  うるさいから黙っててちょうだい!私は睡眠が取りたいの!」 とビシッと言って、そのあとは日本に着くまで7時間こんこんと眠り続けたそうです。

その2 「温泉大好き」

 たいていのアメリカ人は朝シャワーを浴びるだけで、湯舟にゆっくりつかるという習 慣はあまりないようです。
コマーシャルなどで、外人がバスタブにつかっている映像が良く出てきますが、毎日 あれをやっているアメリカ人はまずいないように思います。
ナンシーは大のお風呂好き、特に温泉が大好きだそうで、 友人の一人が持っている別荘の、温泉をひいたお風呂から富士山を眺めての入浴は最 高だったらしくて、 3日間連続で1日に朝、昼、晩と3回も入ってきたと大満足でした。
また、友人と信州の温泉に行ったときに露天風呂に入ったらしいのですが もちろん 外人は彼女一人で、 周りの視線を痛い程感じたそうです。
5〜6歳くらいの女の子が、あまりにもまじまじと見つめるので、「ハーイ」と声を かけると、その女の子はびっくりしたように走って逃げて行ってしまったと笑ってい ました。
バスタブには入っても、知らない人と同じ湯舟に入るのは アメリカ人にとってはす ごく抵抗があるみたいだけど、私はだいじょうぶよ、温泉は最高よというナンシー、 今度、家を建てる時には大きい浴槽をつけるそうです。 壁に富士山の絵も書くのかもしれません。

その3 「Very flesh!」

 ナンシーはお寿司も大好物なのですが、特に好きなのはハマチとマグロだそうです 東京で、友人にお寿司やさんに連れて行ってもらった時に、板前さんが赤貝を殻から 出してすぐに握りにしてくれたそうです。
まだ生きて動いている貝を食べるのはとても怖くて勇気がいったらしいのですが、み んなから注目されている以上食べられないともいえず、口の中に入れて2〜3回噛ん でそのままごっくんとのみこんでしまったそうです。
「Very flesh! って、板前さんが言ってたけど、2度と食べたくなかったわよ。主 人にそんな亊話たら、びっくりしてしまうから、内緒なのよ」と、ウインクしていました。

その4 「地下鉄なんか怖くない」

 関西人の私にとって、東京の地下鉄はまったく未知の世界、 地下鉄だけでなく、デパートだってすっごく大きくてなにがなんだか良くわからない んです。
ところがナンシーは日本語はほとんどわからないのに、地下鉄を乗り継いでどこにで も一人で行ってしまいます。
友人達の、迷子になるからという心配をよそに どんな所にでも自由に行ってしまう のです。
生まれ持った感覚なのか、彼女のおそれを知らない性格からなのか、日本語がわかっ ててもときどき方向音痴になる私にとっては ちょっとうらやましい気がするのです。

この日、ナンシーがお昼にごちそうしてくれたのは ざるそばとカニときゅうりの酢 の物でした。
おみやげよ といってくれたのは、ゆず唐辛子でした。
好きな食べ物は「とんぶり」得意なのは「松風焼き」 やっぱり彼女は自他ともに認める「ヘンナガイジン」なんです。


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