オークランド散歩 パーネル 2
ハルム・コート Hulm Court
1843年建築。オークランドでそのまま残っている建物としてはおそらく一番古い。現在は手直しされていて分からないがブルーストーンでできており、テラスには凝ったレース模様の飾りが施されていたそうだ。1810年代に流行った摂政時代様式(Regency manner)の建物。名前はここに住んでいたハルム中佐に由来。セルウィン主教(ビショップ)も住んだことがありオークランドの歴史にゆかりが深い。残念ながら一般公開されていない。おしゃれなレストランやバー、ブティック、アート・ギャラリーが並ぶパーネル・ロードにありパーネル・ヴィレッジの向かい。
ケンプス・デパートメント・ストア Kemps Department Store
1885年建築。パーネル・ロードとセント・スティーヴンズ・アヴェニューの角にそった緩やかなL字型の木造建築。ここも私は良く通りかかり信号待ちの時この建物を眺めている。道路に面した店舗は左端がイタリヤのパン屋、真中がシガー・バー、右端はブティックでどうってことはないが一階部分の窓が洒落ている。二つずつ並んだ縦長の窓はアーチ型に縁取りされ、両脇をギリシャ建築風の円柱で挟み、上には三角形のペディメントを載せてとなかなか凝っている。今でこそ目立たないが当初まだ田舎だったパーネルにハイファッションビルとしてドラマチックにデヴューし、テーラー、カーテン屋、帽子屋、服地屋などが入っていたそうだ。
キンダー・ハウス Kinder House
パーネル・ロードとエア・ストリートの角。セルウィン主教の依頼でフレデリック・サッチャーが設計し1857年建築。鬱蒼とした高い木々に囲まれているので写真では建物の感じが良く出ていないが外観はイギリスの荘園風。 しかし窓を大きくとってあり南太平洋の明るい太陽がさんさんと降り注ぐ。パーネルにはこうした石造りの住宅が三軒あるがそのなかでも一番古くて大きい。2階建てのものとしては唯一。開館は火曜から日曜の11時から3時まで。一度ボランティアの人に案内してもらったことがある。英国国教会が創設したグラマー・スクールの校長先生の住宅として建てられたのだそうだ。 それがキンダー博士。教育者にして宗教家、そして絵心のある人で彼が各地を旅して描いた風景画や建物、人物の水彩画や写真を多く展示している。
ユエルム・コテッジ Ewelme Cottage
最初この名前を英語で見たときなんと発音するのか想像がつかなかったがユエルムというらしい。ついでに通りの名前もAyr Streetでこれはエア・ストリートとよむ。1864年建築。小さくて目立たない建物なので気が付かなくて通り過ぎてしまった。ユエルムの名はオーナーのラッシュ家の出身地英国オックスフォードのユエルム村からきている。ラッシュ家の息子達がキンダー博士の学校に通えるようすぐ近くのこの地を選んで建てたのだそうだ。1968年までラッシュ家の子孫が住んでいたがその後オークランド市が買い取り博物館として一般公開している。どの部屋にも当時の家具や食器が展示されていて当時の入植者の生活をしのばせる。明るい太陽が差し込む北向きのベランダからかきれいな庭に出られる。開館は金曜から日曜まで朝10時半から12時までと1時から4時半まで。
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